量子力学

第5回 FRパラドックス──量子力学は、自分自身を記述できないのか?

前回、ウィグナーの友人という構成では、「観測されたはずの情報が干渉に現れる」といった状態は、量子力学のルール上、実際には構成できないことを確認した。観測によって情報が記録されれば、それは環境に広がり、干渉は壊れる。つまり、記録がある限り、外...
量子力学

第4回 「観測された」というのは、誰の視点か?

ここまでの議論では、「粒子がどちらを通ったか」という情報が干渉の有無を左右すること、そしてその情報が“誰にも知られていなくても”影響することを見てきた。二重スリットに偏光を加えた構成や量子消しゴムの実験では、「情報があるかどうか」が干渉の成...
量子力学

第3回 「情報がある」とは、どういうことか?

前回は、スリットを通る光子に縦・横の偏光を与えることで、どちらのスリットを通ったかの情報を持たせ、さらにそれを45度のフィルターで消すことで干渉が戻るという構成を見た。「量子消しゴム」とも呼ばれるこの手法は、いったん区別された情報をあとから...
量子力学

第2回 確定したはずの情報が、なぜ干渉するのか?

前回、粒子を一つずつスリットに通しても干渉縞が現れ、「どちらを通ったか」が観測可能になると干渉が壊れることを見た。そこから、「観測されると状態が一つに定まる」という説明が生まれてくる。だが、実験を少し工夫すると、観測されたはずの情報をあとか...
量子力学

第1回 粒子はどちらのスリットを通ったのか?

量子力学は観測のたびに世界の様子が変わるように見える、不思議な理論だ。この連載では、その根本にある仕組みを、実験や理論の構成を通して丁寧に追っていく。波のようにふるまう粒子量子力学というと、「粒子が波のようにふるまう」とか、「観測するまで結...